小川村での信州フォレストワークの活動拠点、「森もり館」が2011年12月に完成しました。
2011年5月に基礎工事から始め、のべ158人日がかりで、全て自分たちの手で建てた森もり館です。
各工程で簡単な図面を書いて専門家の指導を受けながら、自力でできる工法と限られた予算のなかで造り上げた、独立基礎による自称ハイブリッド工法の建物です。
建坪は18坪(60平方メートル)で、休憩スペースと物置スペースに分かれ、薪ストーブを設置して冬でも快適に過ごせるようになっています。
このように新しい拠点ができたのも、地域の皆さんの温かいご支援やご理解があったためと感謝しております。
この建物は、地域の皆さまや小川村を訪れる皆さまにも活用していただける、開かれた施設を目指しています。
- 地域の方が立ち寄って、お茶を飲みながら話していただけるサロンとして。
- 村外から訪れる里山を愛する方々のためのビジターセンターとして。
- クラフト体験や自然観察の案内・交流施設
- 間伐材を活用した木工工作室として利用できる施設として。
「森もり館」を建てるために借用した土地は駐車場として使われていた場所で、地盤はしっかりとしています。
建物の屋根にかかる部分の木を伐採しました。
土地の北側の道は、路肩が緩んでいたので杭を打って固めました。
この時は若い学生さんの協力をいただきました。
水糸を張って建物の位置を確定します。
砂利や根があり人力では無理なので、独立基礎を建てる穴堀りだけは重機に頼みました。
掘った穴に砂利を入れタコで突いて、エーンヤコーラと汗だくで地固めしました。
完成した24個の独立基礎。
基礎石の高さを全て水平にするのに苦労しました。
間伐材を製材して厚さ3cm幅15cmの板で、水平のとれたコンクリートの上で基礎枠を造りました。
独立基礎の上に基礎枠を組んでボルトで固定しました。
精度はイマイチでしたが…。
床下からの冷気を防ぐため、基礎枠の中に断熱材(30mmスタイロフォーム)を入れました。
見えない所にお金を掛けるのがSFW流。
基礎枠の上に大引きを敷いて固定しました。
デッキ部に仮のコンパネを敷いて鉄骨フレームを組み立ます。
この鉄骨は地元の方から無償で譲っていただいたものです。
物置小屋だったものを解体して運びました。
フレームを組んでから力を合わせて立て、大引きにボルトで固定します。
皆の息があっていないと大変です。
骨組ができて、建物の骨格が見えてきました。
まだ仮の筋交いで固定している状態です。
横の通し柱と垂木を付けて、屋根の下地ができてきました。
屋根に下地合板を張っていきます。
その上に防水シートを貼りました。
ここにも透湿性のあるちょっと高いシートにしました。
その上に屋根材(アスファルトシングル)を貼っていきます。
下で接着剤を塗って、屋根の上にあげ、専用釘で固定しました。
予想以上に手間がかかりましたが、素人細工には見えない位きれいにできました。
屋根の上から見る景色は格別です。屋根ができて気分も最高。
補強のための筋交いがしっかり入りました。
いただいた玄関ドアもリユースで。
床は予算と入手等の問題で結局、コンパネを貼ることになりました。
これもリユースの窓サッシです。裏と表の2箇所に取り付けました。
秋田スギで壁板を貼りました。これも県産材は入手性と価格で断念しました。
大工仕事も手馴れてきました。ここまで来ればもう一息です。
横には車庫を付けました。これは間伐材の丸材を使っています
中に入ると木の香りでいい雰囲気です。
ステンドガラスならぬアクリル板で光採りを付けました。
寒くなる前に外回りがほぼ完成しました。あとは内装関係です。
壁の断熱材は自然素材にこだわって、稲ワラを詰めました。
それも無農薬栽培の稲ワラです。
ようやく完成。雪が降る前にできて一安心。これで冬の活動も可能です。
地域のみなさんをお呼びして新築のお披露目をしました。
どうぞ「森もり館」にお立ちよりください。